ビジネスを通じて国際協力ができるのか~BOPビジネス~

ビジネスを通じて国際協力ができるのか

ビジネスとは、企業が利益を得るために行うものであり、ボランティア的な意味合いが強い国際協力とは無縁な感じもします。もっとも、昨今では企業のCSRが取り上げられ、利益獲得競争による本来のビジネスとは切り離したところで、企業の社会貢献を期待する動きも強まっています

 

CSRを果たす企業に投資をしようという投資家も増える中で、ビジネスがいかに国際協力に関わっていけるのかを見ていきましょう。

マイクロファイナンスにより貧困層の資産形成をサポート

マイクロファイナンスとは、小口の貸付や預金、保険などのサービスを指し、途上国などの低所得層や貧困層がこれまでは利用できなかった金融サービスを利用できるようにしようという取り組みです。

 

貧困であるが故にお金が借りられなかった方たちが、融資を受けられるようになれば、生活の改善や家業の建て直しや、新しい事業を始めてお金を稼ぐことができるようになります。その結果、子どもを学校に通わせて地域貢献や家族のために収入を稼げる担い手を育てることも可能です。

 

預貯金や保険は、稼ぎの担い手の死亡による損失を補填することで、子どもの将来を守ることやマイホームを得ること等、人々が安定した生活を送ることができるようになるのです。

 

マイクロファイナンスを手掛けるのは銀行をはじめ、ノンバンクや信用組合、NGOなどさまざまですが、単独ではなく国際機関や政府系金融機関からのサポートを得ながら運営をすることができます。日本では少子化により金融市場も先細りするなかで、新たな金融ビジネスと、貧困層の生活改善といった国際協力を両立できる事業と言えるかもしれません。

BOPへのアプローチで新たな市場形成と貧困からの脱却をサポート

BOPとはBase of the Economic Pyramidの略で、2002年購買力平価で1人あたりの年間所得が3,000ドル以下に過ぎない貧困層を指しています

 

もっとも、この貧困層は途上国を中心に、全世界人口の約7割にあたる約40億人いると考えられており、BOP層の市場を開拓するビジネスの規模は5兆ドル規模に達すると予想されているのです。事実、少子高齢化により日本市場の縮小が懸念されるなか、企業の持続的成長のための新たなターゲットとしてBOP層が考えられています

 

途上国に生産拠点を置き、そこでBOP層を雇用すれば、低コストでの生産が可能となり、世界的な競争力も生まれます。低コストとはいえ、BOP層にとっては途上国では得られない収入が獲得でき、生活が豊かになるとともに、企業にとって新たな消費者へと成長していくことも期待できるのです。